「三日攻防」で支持訴え/県知事選
気迫ある遊説展開/仲井真、伊波、金城3氏
【那覇支社】28日投開票の第回県知事選挙は25日、最終盤の「三日攻防」初日を迎え、立候補した現職の仲井真弘多(71)=無・自民県連、公明、みんなの党推薦=、新人で前宜野湾市長の伊波洋一(58)=無・社民、共産、社大、国民新、新党日本推薦、そうぞう支持=、新人で幸福実現党県本役員の金城竜郎(46)=同党公認=の3氏は、候補者カーに乗り込み、沖縄本島内の主要交差点などで、気迫に満ちたスポット遊説を行った。また、3氏各陣営のスタッフらは、応援弁士を乗せた選挙カーで市街地を巡るなどして候補者名と政策を連呼し、選挙戦は陣営総力挙げての決戦に突入した。
県都那覇市でも街頭演説会に聞き入る一般有権者は、まばらで、まだ選挙の盛り上がりに欠く。
仲井真氏は25日朝、八重瀬町内の医療施設朝礼に出席した後、西原町、嘉手納町、北谷町などの中部地区を重点的にスポット遊説し、企業グループ総決起と小禄地区での総決起大会に臨んだ。
伊波氏は早朝、県漁連のある競り市場でのスキンシップを皮切りに、稲嶺進名護市長を伴って那覇市内の要所で街頭演説し、同市の主要団地でのスポット遊説や支援者会合に出席した。
金城氏は午前、石垣市での街頭演説会を終えて那覇に戻り、那覇市、南城市、与那原町、西原町などの主要交差点で街宣活動を展開。その後、宜野湾市での演説会に臨み、政策を訴えた。
選挙焦点の一つ、「米軍普天間飛行場移設問題」で金城氏を除く仲井真、伊波の両氏が普天間早期返還を訴えているが、その相違点が明確に伝わらないことに加え、国政与党民主党が日米共同声明による辺野古移設案を強行する姿勢にあることなどから、県民の間に閉塞感や同問題に対するあきらめムードが漂っていることなどが有権者反応の鈍さの要因とみられる。
仲井真氏が「県外移設」を訴えている理由は名護市長選、同市議選の結果により、辺野古移設反対派が多数を占めたため「現行案は、もう無理だ」とした上で「日米安保重視の観点から普天間問題は日本全体で応分負担をし、内政課題として考えるべき問題だ」としている。
一方、伊波氏が「県内移設反対」とする理由は辺野古移設は県内の「たらい回し」であり新基地建設は負担軽減と逆行し「基地機能の強化につながる」とした上で「国外移設」の根拠として、2005年の米軍再編計画で在沖海兵隊兵力約8000人のグアム移動が既に決定しており、政府の交渉次第では「基地のグアム移転も可能だ」との論拠に基づく。
選挙戦最終日まで残り2日と迫り、基地問題以外の沖縄振興策や、福祉施策、離島振興策などの政策浸透と有権者の大多数を占める浮動票の獲得が「天王山選挙」の行方を決することになる。