比嘉、1回KO勝ち/WBCフライ級
15連続KOでV2/故郷で日本最多に並ぶ
【那覇支社】世界ボクシング評議会(WBC)世界フライ級タイトルマッチが4日、那覇市の県立武道館で行われ、世界王者の比嘉大吾(宮古工業高卒、白井・具志堅スポーツジム)が同級9位の挑戦者、モイセス・フエンテス(メキシコ)を1回2分32秒KOで下し、2度目の防衛に成功した。比嘉は15戦連続KOを達成、同郷の浜田剛史が持つ日本記録に並んだ。沖縄での世界戦で日本人の敗戦が続くジンクスも覆し、37年前に具志堅用高会長が敗れた雪辱も果たして見せた。
比嘉は1回、右のカウンターでチャンスをつかむと、右のボディーブローからアッパーをつなぎ、最後は右ストレートを腹に打ち込んで倒した。
圧巻のKO劇。最初のカウンターが決まると、大歓声とともに「大吾」コールが沸き起こった。地元の声援を背にした比嘉はフエンテスを一気に攻め立て、わずか1回で決着を付けた。
勝利インタビューで比嘉は「せっかく来てくれたのに1ラウンドで終わってすみません」と茶目っ気たっぷり。「沖縄の試合で勝ててうれしい」と笑った。
決定打となった右ストレートについては「手応え十分だった」と自賛し、15戦連続KOの達成には「これからも倒すことにこだわってやっていく」と連続KOの更新に意欲を見せた。
比嘉は浦添市出身。WBAライトフライ級元王者の具志堅に憧れ、宮古工業でボクシングを始めた。
高校時代には県総体フライ級を制すなど大器の片鱗を見せた。
卒業後、白井・具志堅スポーツジム入り。2014年にプロデビューすると15年7月にWBCユースのフライ級王座を獲得。16年7月には東洋太平洋同級王座に就いた。17年5月にWBCフライ級世界王座を奪取。同年10月に初防衛。