【花は島いろ】村山 靖さん(38歳) 役者
「琉球トム・クルーズ」として活躍中
【那覇支社】沖縄本島を拠点に役者やレポーター、ラジオパーソナリティーとして活躍し、「琉球トム・クルーズ」のキャラクターで注目を集めているのは、平良西原出身の村山靖さん(38)。現在、津波信一氏が主宰する劇団TEAM SPOT JUMBLE(TSJ)に所属し、県内外で幅広く活動している。
西辺小・中、宮古工業高校を経て、グラフィックデザイナーを目指して福岡マルチメディア専門学校に進学した。卒業後は、福岡県のデザイン事務所に就職し、企業広告の製作や大学のパンフレット、飲食店のメニューなどをデザインする忙しい日々を過ごした。
数年間の県外生活を通して「改めて沖縄の魅力に気づいた」と語る村山さんは、沖縄の文化に関わる仕事がしたいと帰郷を決断。その後、おきなわワールドの「エイサー団真南風(まふぇかじ)」に入団したことが人生の転機となった。
小中高と柔道や空手で体を鍛えてきたが、基本的には絵を描く事が好きな内気な性格だという村山さん。初めて観客の前でエイサーを踊った時に「身震いするほど感動した」と言い、その経験が表現者としての道を歩むきっかけとなった。 表現の場をさらに広げたいとの思いから、三宅裕司氏が率いる劇団が開催した「沖縄マルチパフォーマーオーディション」に挑戦。しかし、その時は最終選考で落選した。アルバイトをやりながら次のステージを模索していた時、沖縄マルチパフォーマーオーディションの審査員だった津波氏に街で偶然に再会したことが縁となり、劇団TSJに所属するチャンスをつかんだ。
村山さんは「デザインもエイサーも役者も、手段が違うだけで自分の思いを表現すると言う意味では共通している」と強調する。
「琉球トム・クルーズ」というキャラクターは、大阪のローカル番組で、ネタを披露するコーナーに出演した時に誕生。『トム・クルーズ』に似ているということで、その名で紹介されたことが始まりだったという。「そのおかげで、トム・クルーズさん本人にインタビューする仕事や、全国放送のネタ番組に出演することができた」と笑顔で語る。
また、トム・クルーズさんが来日した際に通訳を務める映画字幕翻訳家の戸田奈津子さんの誕生日イベントでは、トムさんの代役としてケーキをプレゼントするという企画もあった。「戸田さんに大変喜んでもらえてうれしかった」と懐かしむ。
今後について「憧れのトム・クルーズさんに出会えたことに感謝し、トムさんのような役者を目指してこの道をまい進したい」と意気込みを語った。