アギヤー、グルクン水揚げ
住民ら再開に向け激励/佐良浜
佐良浜の国吉組(国吉正雄代表)が15日、旧正月用のグルクン(和名タカサゴ)確保のため、約8カ月ぶりに伝統のアギヤー(大型追い込み漁)を展開し、約500㌔を水揚げした。キロ当たりの価格は1000円。買い物客の中には5㌔以上買い上げ「グルクンはおいしいので、アギヤーをずっと続けてほしい」と励ます人もいた。
国吉組は、サバニ型漁船の国吉丸(1・7㌧、70馬力、国吉正雄船長)と同じく福里丸(1・5㌧、70馬力、福里英二船長)の2隻で構成する組織。県内唯一のアギヤーとして注目されている。
アギヤーの潜水に必要な人数は4人。昨年5月中旬以前に1人が下船したため、その数に満たないことから出漁の休止を余儀なくされた。
この日は旧正月の食材として利用されるグルクン漁獲の名目で出漁した。今後の大きな課題はアギヤー担い手の育成。
伊良部漁協の漢那一浩組合長は「昨年からアギヤーの後継者募集の情報を流している。その成果で、福岡県に住んでいた37歳の男性が14日から佐良浜で住むようになった。すぐにアギヤーで働くのは厳しいので、カツオ一本釣り漁船で鍛えてからアギヤーで働かせたい」と相手の立場も尊重する。
その上で「男性の妻と娘はこれから引っ越して来る。佐良浜で永住してほしい」と受け入れを歓迎する。
水揚げしたばかりのグルクンを6㌔買った西原順一さん(61)=伊良部=は「島外に住む子供2人に3㌔ずつ送る。グルクンは最高においしい魚なので、子供たちは喜ぶ」と語った上で「伊良部の漁業発展のために、アギヤーは継続してほしい」と願った。