世界最古の釣針など展示/県立埋蔵文化財センター
県内出土の遺物300点/市博物館で発掘調査速報展
県立埋蔵文化財センターの「発掘調査速報展2017」宮古島巡回展が16日、市総合博物館で始まった。25日まで。今回の巡回展では世界最古の釣針のほか、県内9カ所の遺跡と保存処理事業で保存処理された遺物など300点を展示している。会場には、初日から観光客らが訪れ、沖縄で出土した遺物に興味津々の様子で見入っていた。
巡回展では、宮古島市の「ツヅピスキアブ洞穴(丘陵頂上部近くを貫通する洞穴)」を含む県内9地区の発掘調査で出土した遺物や写真パネルが展示されている。
同センターの金城亀信所長は「この巡回展を通して多くの方々が先人たちの暮らしに思いをはせるとともに、沖縄の歴史と文化に対して親しみを持ち、その価値や重要性について理解を深める一助となってほしい」とのコメントを寄せた。
宮古の「ツヅピスキアブ」は、旧石器時代(後期更新世)~近世で、約24000年前の層で人の生活の痕跡が確認され、その時代から宮古島には人が存在していたこと明らかになっている。
そのほか、世界最古の釣針は、南城市のサキタリ洞遺跡で出土。この釣針は約2万3000年前の物で、14㍉の巻き貝(ギンタカハマ)製となっている。
そのほかにも、円覚寺跡(那覇市)、首里城公園内の真珠道跡、大嶺村跡などから出土した遺物も展示されている。
市教育委員会生涯学習振興課文化財係の久貝弥嗣主任主事は「なかなか宮古では見ることのできない展示物が多く、見応えのある内容となっているので、多くの市民に見に来てほしい」と呼び掛けた。
そのほか、今回の巡回展に関連して18日には同博物館で文化講座「化石で探る宮古島のほ乳類の移り変わりと人類渡来問題」が午前10時から行われる。
さらに、24日にも「世界最古の文化への探求-新発見された県内最古級の遺跡-」をテーマに同センター調査班の仲座久宜班長らが報告を行う。