那覇地検が控訴断念/傷害事件の女性無罪確定
2016年、知人の女性を角材で殴りけがを負わせたとして、傷害罪に問われ、那覇地方裁判所平良支部で無罪とされた40代の女性=宮古島市=について、那覇地方検察庁は期限の日までに控訴の断念を決めた。女性の無罪が確定した。
那覇地裁平良支部は2日の判決で、暴行を受けたとされる女性の供述には、暴行された現場の状況と合致しないという不合理な点があり、裏付けに乏しく内容も不自然だと指摘した上で「その信用性を肯定することができない」として無罪を言い渡した。
女性は、16年11月16日午後5時50分ごろから同7時10分ごろまでの間に、宮古島市内の自宅で、知人の女性(当時43)の尻を角材で殴打する暴行を加え、臀部(でんぶ)打撲や臀部皮下出血など約1カ月の治療を要するけがを負わせたとされる傷害容疑で同年11月24日に逮捕され、12月15日に起訴された。
女性は逮捕後、一貫して無罪を主張。裁判では、目撃者がいないことから、暴行を受けたとされる女性の供述の信用性が争点となった。
女性は16日、宮古毎日新聞の取材に「最初から無罪だと訴えても聞き入れてもらえなかった。真実を追求する気がなく、私を有罪にするために動いていたとしか考えられない」と話した。その上で「逮捕、起訴されて、私たち家族の平穏な日々が崩壊した。捜査機関に誠実に謝ってほしい」と語った。
代理人の仲松正人弁護士は「事件の内容からみれば当然。捜査機関にはいろいろな角度から慎重に調べてほしかった。つらいこともあるだろうが、それに負けないで頑張ってほしい」と話した。