30年前のヤーマス映像楽しむ/来間島で旧正月の集い
豚汁囲み和やかに/島民や郷友会員
来間島で17日、旧正月の集いがあり、島の住民や出身者が豚汁や郷土料理を囲んで和やかな時間を過ごした。公民館で開いたビデオ鑑賞会では、30年以上前のヤーマスプナカの映像を上映。住民は昔懐かしい貴重な映像を通して生まれ島の歴史を振り返った。
旧正月の集いは自治会が主催。初めての取り組みになる。島の出身で八重山に住む砂川純一さん(75)が撮りためたヤーマスプナカの映像をみんなで楽しもうと企画した。祭りの趣を出そうと豚汁をつくり、三線ショーも準備した。
午後3時に集合。来間公民館には島の住民だけでなく、沖縄本島や八重山からも出身者が訪れ、その数はおよそ60人に。旧正月の再会を互いに喜び合った。
公民館に着いた順に豚汁を味わった。中庭のテーブルを囲み、それぞれ豚汁の美味に舌鼓を打ちながら思い出話に花を咲かせた。
一段落するとビデオ鑑賞会が始まった。大浦邦夫自治会長は「懐かしい映像ばかりなので、料理を食べながらゆっくりと楽しんでほしい」とあいさつした。
撮影者の砂川さんは「映像は自治会に全部あげようと思っているので楽しんでほしい」とビデオの寄贈を申し出た。その上で「このような集いを企画してくれた自治会役員の皆さんに感謝したい。八重山からも平良からも、1年に1回こうして集えることがうれしくてたまらない」と話した。
この後ビデオの上映が行われた。1980年代のヤーマスプナカの映像が流れると、住民は身を乗り出して映像にくぎ付け。参加者が多く、盛況を博した当時の祭りを見て笑ったり、懐かしんだりしていた。
島の出身者で平良に住む奥平幸子さん(81)は「昔のおじいちゃんやおばあちゃんが出ている。本当に懐かしい映像ばかり」としみじみ語った。「このような企画は素晴らしい。伝統のヤーマスプナカをなくしてはいけない」と語り、伝統行事の大切さを再確認させる集いの開催に感謝した。
大浦自治会長は「住民と郷友が集まることで一体感を持つことができる。この島をみんなで盛り上げていきたい。旧正月の集いは続けていく」と話した。