学校規模適正化対象学区住民投票 住民からの請求却下/市議会臨時会
条例制定議案を否決/賛否割れるも賛成少数
19日に開会した宮古島市議会(佐久本洋介議長)臨時会の2日目が20日に開かれた。学校規模適正化計画について対象学区の有権者に賛否を問う住民投票を行うことを求める住民投票条例制定議案について審議を行った。議案に対する討論で賛成、反対双方の意見が出たことから挙手による採決を行った結果、賛成少数で議案を否決し、住民からの請求を却下した。
同議案は住民投票条例の制定を求める市条例制定請求代表者21人らが、条例制定請求に必要な有権者50分の1以上の署名を集め、下地敏彦市長に制定を申請していたもの。申請を受けた下地市長は「同条例を制定する必要はない」とする意見書を付して条例制定議案を市議会に提出し、今臨時会が開催された。
臨時会2日目では、前日に市議会から同議案の付託を受け審査を行った総務財政委員会の山里雅彦委員長が、審議、採決の結果、委員会判断は賛成少数で否決となったことを報告した。
討論では狩俣政作氏が、学校規模適正化は2017年に議会で取り上げられて以来、7年に渡り議論が重ねられ、妥当な判断がなされているとの認識を示すと共に「子供たちの将来を思うと規模適正化は必要」として賛否を問う住民投票制定議案に反対を表明した。
平百合香氏も反対の立場を示し、請求代表者が住民投票を行う理由として「意見を出す場を作ってほしい」などと説明していることに「その内容を達成するための手段として賛否を問う住民投票は、今回の議論では必要性が感じられない」との考えを示した。
島尻誠氏は賛成の立場から「条例制定を求める署名は声を上げられない住民の意思表示」と主張し、規模適正化については「計画ありきではなく住民意思が反映される結果をもっての判断が望ましい」と訴えた。
國仲昌二氏は「今回の提案は直接民主制度の一つで地方自治法で保証された主権者である市民の権利」と指摘。今回の議案について「主権者である市民の声を聞くべきかどうかを問われている。ぜひ聞くべきだと考える」と賛成し可決させるべきと主張した。
挙手による採決の結果、賛成は5人にとどまり賛成少数で同案は否決された。
この結果に下地市長は「私が意見を述べ、それが十分、議会の意思としても採用されたということ」、今後の学校規模適正化については「予定取り、計画に基づいて粛々と進めていきたい」との考えを示した。
条例制定請求代表者の一人である岸本邦弘氏は議案否決の判断について「統廃合ありきの結論になった。住民による直接請求は住民に残された住民のために使える最大の方法。それをさせないという市当局と議会のあり方がはっきりした」と述べると共に「決まったことでもだめと思われることを考え直すための行動を起こしていきたい」。同じく請求代表者の近角敏通氏は「否決され非常に残念。住民の気持ちをくんでくれない議員の人たちに失望している」とそれぞれ語った。