日台漁業の見直し要望/県離島振興市町村議会議長会総会
【那覇支社】県内の離島関係18市町村の議会議長で構成する県離島振興市町村議会議長会(会長・幸地猛久米島町議会議長)は21日、那覇市の自治会館で定期総会を開き、日台漁業取り決めの見直しや、離島の港湾整備などに関する要望決議を全会一致で承認した。
総会には、19日に就任した宮古島市議会の佐久本洋介議長や、多良間村議会の森山実夫議長らが出席。開会の冒頭、新たに加入した佐久本議長が紹介された。
採択した「日台漁業取り決めの見直しを求める要望決議」では、政府が2013年に締結した取り決めについて「広い水域での漁業操業を台湾に認めるなど、台湾側に大幅に譲歩した内容」と指摘し、「好漁場の縮小を余儀なくされ、先島諸島をはじめ、県内の漁業者に不利」と批判した。
その上で、県内漁業者の権益と生活を守る観点から、日台漁業取り決めの抜本的な見直しを求め、操業ルール策定に当たっては「日本の排他的経済水域内での交渉であり、日本側の漁法による操業ルールを実現するよう強く要望する」と訴えた。
一方、県内各離島の港湾整備と港湾環境の整備に関する要望決議では、「港湾は離島住民の生活と産業振興の根幹を成している」として、港湾整備のほか、荷さばき場と駐車場などの環境整備を要望した。
さらに、総会では16年度歳入歳出決算案も審議し、監事の森山議長が「収支とも正確であり、かつ適正である」と報告。18年度事業計画・歳入歳出予算案とともに全会一致で可決した。
総会の終了後、就任3日目で参加した佐久本議長は「今後、議長会で宮古島市のことを強く発信していくのが、私の役目だと認識している。特に八重山とは同じ先島地域として、絶えず連携しながら課題に取り組みたい」と語った。