製糖中盤、品質伸びず/17-18年産サトウキビ
糖度13度台にとどまる/収量も予想下回る見通し
2017-18年期サトウキビ製糖操業が中盤に差し掛かっているが、原料(サトウキビ)の品質が上がらない。製糖4工場のここまでの平均糖度は13度台にとどまる。基準糖度(13・1~14・3度)には達しているものの前期と比べると1~2度低い。病害虫被害や気象条件が影響しているものとみられる。低調な品質は県全体の傾向で、関係機関が分析を進めている。工場への搬入(生産)量も予想を下回る見通しだ。
20日現在の各社の搬入概況が示す平均糖度は▽沖縄製糖宮古工場13・54度▽宮古製糖城辺工場13・12度▽同伊良部工場13・55度▽同多良間工場12・97度-。それぞれ伸び悩んでいる。
沖糖に搬入された原料5万5785㌧のうち、基準糖度に達している原料は全体の7割と少しずつ上昇しているが、前期の15・27度に比べると見劣りする。
宮糖城辺も操業初期の品質に比べると上昇しているが、今はほぼ横ばい。搬入原料の半分が基準に達している半面、基準以下の原料も45%ある。ここまで5万8000㌧を搬入した。
平均糖度が最も高い宮糖伊良部の品質も頭打ちをうかがわせている。ただ、月計の平均糖度は14度台に達しており、引き続き品質の上昇が期待される。
宮糖多良間工場は、13度に満たない厳しい取引が続いている。操業開始当初から低く、地区内でもとりわけ懸念される品質だ。
各社とも、低調な品質の要因に生育初期の病害虫被害のほか干ばつ、台風などの気象条件を挙げる。
病害虫は、昨年のこの時期に大発生したカンシャワタアブラムシを指す。夏植えのキビの葉裏に白く綿状に付着する病害虫で、作物の光合成に一定程度影響を及ぼすとされている。
ただ、宮古地区さとうきび技術員会は「影響がないとは言い切れない」としながらも、「アブラムシのことはまだよく分からない部分が多い」と直接的な被害要因の断定は避けた。
気象条件では昨年10~11月の日照不足を指摘し「この時期の日照の短さが影響したのではないか」とみている。加えて干ばつによる生育阻害を挙げた。
品質の高低は農家の収入に直接響く。収量も宮糖多良間工場を除いて予想を数千㌧下回る見通しだ。関係機関・団体による詳細な分析と対策が急がれる。