乳牛の売却進む/農事組合法人
20頭が島外へ/島内での酪農終了
宮古で唯一、酪農牧場を運営していた農事組合法人が1月末で酪農事業を廃業したことを受け、所有する乳牛の売却が進んでいる。28日にも沖縄本島と石垣の牧場に売却された20頭がコンテナに積み込まれた。これまでにもすでに頭が売却されており、残りは40頭程度となった。同法人の代表理事は「宮古から酪農が無くなるのは寂しい」と肩を落とした。
残った40頭についても、年度内にはすべて売却を予定しており、同法人側は「搾った牛乳も現在は廃棄している状況で、牛の管理にも費用が発生する。何とか事業の継続を目指してきたが残念」と述べた。
酪農事業の廃業は、昨年7月にこの酪農牧場の土地と建物が競売にかかり、落札されたことが影響した。
設備と乳牛だけでは事業経営が困難な状況となったが、同法人と加工業者側とで牛乳生産継続を目指して調整を図ったが折り合いが付かず、同法人側は1月23日までに生乳出荷を31日で終了し、事業を廃業することを文書で通知していた。
同法人の代表理事は「今となってはどうにもならないが、何とかいろいろな手を尽くして継続しようとしたがすべてダメだった。残念としか言いようがない」と話した。
以前は約100頭いた乳牛が今ではすでに半分を下回り、28日も牛舎内は閑散とした風景が広がっていた。