水使用量の増額検討/宮古土地改良区
基本料に使用量加算
宮古土地改良区(下地敏彦理事長)が賦課金(農業用水使用料)の増額を検討している。現行の賦課金は10㌃当たり年間2000円だが、これに使用量を加算する従量制を21日の総代会に諮る方針だ。従量制は2015年に一度否決されている議案。再提案について下地理事長は「地下ダムの限りある農業用水を、永続的に利活用させたい」とし、総代に理解を求めている。
理事会で了承されている変更案は、10㌃当たり2000円の基本料金に、使用した水の量1㌧当たり15円を加算するというもの。施設園芸以外、60㌧までの使用量は10㌃当たりの基本料金に組み込む。2019年度の移行を目指す。
事務局の試算で、サトウキビに10㌃当たり年間200㌧を使った場合の賦課金は、節水効果を加味して4100円が見込まれる。県内他地区の平均額は約6500円としており、仮に従量制に移行しても、他地区より2400円低い設定になるとしている。
従量制に移行する理由としては、節水意識を高める必要性と施設の維持管理費の確保を挙げている。
地下ダムの水の使用量は計画量を上回る状態が続いており、2015年は計画の6割増しとなった。
また、水の使用量と比例し、揚水するポンプの稼働で電気料が上昇。過去3年の電気料は10㌃当たり約5000円(電気料の農家負担はゼロ)に達している。
農業用水を通す管路の破損も相次いでおり、16年度は計58件の破損事故が発生し、復旧に約2700万円の費用を要したという。
こういった課題に対応するため、従量制への移行案が理事会で浮上した。21日の総代会で理解が得られるのかどうか注目される。
下地理事長は「限りある農業用水を、これから農業を担う子や孫のために効果的に引き継いでいくことが重要になる」とし、総代に理解と協力を求めている。