獅子舞ではらい清め/城辺比嘉
にぎやかに旧二十日正月祭
城辺の比嘉集落で旧暦1月20日に当たる7日、比嘉自治会(砂川雅一郎会長)主催の伝統行事「旧二十日正月祭」が行われた。比嘉民俗芸能保存会(比嘉幹男会長)の会員らが、勇壮な獅子舞ではらい清めて招福し、無病息災、集落のさらなる発展を願った。比嘉の獅子舞は、市指定の無形民俗文化財。
「旧二十日正月祭」の由来は、1908(明治41)年に字財産の山林処分をめぐって士族と平民が争い、訴訟に発展し、判決では士族が勝訴した。平民と士族は上訴を繰り返し、裁判は3年かかっても解決に至らなかった。憂慮した双方は歩み寄り、12(同45)年に和解した。
明けて13(大正2)年には、士族と平民が和解を記念して旧暦1月20日に盛大な祝賀行事を開催した。これが契機となって「旧二十日正月祭」は始まったと伝わる。今年で105年目。
開会式で、砂川会長は「本日は皆さまと共に向こう1年間の無病息災、豊年豊作、子孫繁栄、家内安全を祈念し、参加者全員で盛大に祝いたい」とあいさつを述べた。
次いで獅子舞2頭を先頭に比嘉公民館を3周しはらい清めた。獅子舞の後ろから歌・三線、横笛、太鼓、ホラ貝、かねの役を担う担当者、クイチャーを踊る関係者などが続いた。西城小学校3年の12人が総合的な時間を利用して参加した。
獅子舞は集落内へ移動。下地修さん(53)が購入したサトウキビ積み込み重機と大型トラクター、与那原一夫さん(70)が購入した軽自動車2台でそれぞれはらい清めの儀式を執り行った。
参加した3年級長の多和田大我君は「とても楽しかった。社会科の勉強に役立った」と感想を話した。
下地さんは「安全運転でキビをトラックに積み込みする」、与那原さんは「安全運転の気持ちが引き締まった」と感想を語った。