天皇皇后奉迎で実行委発足式
今月27日からの沖縄訪問向け
【那覇支社】今月27日から29日までの日程で沖縄県を訪問される天皇皇后両陛下を奉迎する県実行委員会の発足式が8日、那覇市内のホテルで開催され、県内の企業や文化・芸能、スポーツ関係などから約200人が出席した。
同実行委員会の特別顧問に翁長雄志知事や仲井真弘多前知事ら4人、顧問には下地幹郎衆議院議員、新里米吉県議会議長を含む6人が就任。奉迎委員には下地敏彦宮古島市長ら167人(8日現在)が名を連ねている。
冒頭、出席者全員で国歌斉唱や皇居遙拝を行った後、同実行委員会長の石嶺伝一郎県商工会議所連合会長は「両陛下の沖縄に寄せられる思いは大変大きく、その大御心に対し深い感謝の意を持って県民挙げて奉迎するため、多くの県民の協力をお願いしたい」とあいさつした。
発会宣言文が朗読され、「常に沖縄へ深い関心をお寄せになられる陛下の大御心に少しでもお応えするために、県民の真心を集めた奉迎活動を実施し、皇室と沖縄の美しい絆を広く県下に伝えていきたい」とアピールした。
奉迎委員を代表して、宮古島市の下地敏彦市長が「今回の行幸啓で11回目となり、それほど多くの行幸啓をいただける県は沖縄を除いて他にない。沖縄県民は感謝の心を持って両陛下をお迎えしたい」と述べた。
発足式では、事業計画として▽那覇空港や沖縄本島沿道における、日の丸での奉送迎▽那覇市牧志の緑ヶ丘公園を出発会場に、国際通りから県庁前の県民広場まで、5000人規模の提灯行列を実施し、奥武山公園で「提灯奉迎の集い」を行う▽与那国島における、日の丸での奉送迎▽「皇室と沖縄」に関する啓発小冊子を作成し、県下各界に配布-など、6項目を満場一致で承認した。
両陛下は太平洋戦争末期の地上戦で一般住民も含め約20万人が犠牲となった沖縄に、長年心を寄せてきた。来年4月末の退位を前に、両陛下の強い希望を受けて実現する。27日に東京・羽田発の特別機で沖縄県入りし、糸満市の沖縄平和記念堂を訪れた後、国立沖縄戦没者墓苑で供花する。
28日は与那国島を日帰りで訪問。日本最西端の碑が建つ「西崎(いりざき)」を訪ねるほか、町立久部良小学校で伝統芸能を鑑賞し、日本在来馬「与那国馬」や県指定天然記念物で世界最大級のガ「ヨナグニサン」も見学する。29日は昨年完成した沖縄空手会館(豊見城市)で演舞を鑑賞し、帰京する。