豊かさって何?/北小で国際理解教育
6年生対象に公開授業
2017年度国際理解公開講座in宮古島(主催・JICA沖縄国際センター)が12日、北小学校で行われた。沖縄NGOセンターの土橋泰子国際理解教育コーディネーターが「豊かさって何?世界と自分のつながり」をテーマに公開授業を行い、児童たちに世界の現状を伝えながら、人類共通の課題を自らの問題として深く考えることを呼び掛けた。
公開授業は冒頭から、土橋さんがネパール語で児童に話しかけることから始まった。
児童たちは、土橋さんが話しかけるネパール語を、一生懸命に理解しようとしながら、いろいろな質問に答えた。
「豊かさ」について、土橋さんは、所得額に応じて世界の人口を5分割すると、ネパールなどの20%の最貧困層は、世界所得額のわずか1・4%を分け合っていることを紹介した。
一方で、日本やアメリカなど全体の20%の最富裕層は総所得の82・7%を占め、富が集中していることを説明しながら、世界の経済成長は貧困層にはほとんど還元されていないことを示した。
公開授業では、この問題を参加型学習で体感。クラスの生徒たちを5人ずつに5分割し、一袋のポテトチップス一袋を所得の割合に応じて分け合って食べた。
最富裕層に選ばれた5人の児童は、8割のポテトチップスを分け合う一方で、最貧困層の5人は一枚にも満たないような量を分け合った。
こうした富の差がある中で、実際には最富裕層の国は最貧困層の国から多くの資源を輸入しなければいけない現状の説明を受け、児童たちは富の分配と相互依存の関係について学習した。
世界の状況を知った児童たちは、積極的に自らの考えや意見を述べる一方で、授業が進んでいくごとに新たな発見や知らなかった情報を得ると、考えや認識を変えたり、深めたりして国際理解を深めていった。
国際理解教育・開発教育は、人権、共生、環境、平和など人類共通の課題を理解し、持続可能な未来を築くために主体的に行動する力を身につけることを目的としている。