誤った資料基に審査/総務財政委
市、指定管理者の選定で
市の公共施設の管理・運営を民間事業者などに代行させる指定管理者制度で、指定管理者の候補者を選定する委員会(会長・長濱政治副市長)が公募で応募した団体から誤った資料が提出されていたにもかかわらず、同団体を指定管理者の指定候補者として議会に提案していたことが14日、分かった。
議案を審査した総務財政委員会(山里雅彦委員長)が指摘したもので、提出書類の中の2016年度実績報告で、観光施設の年間合計入館料を誤って記載したことから、収入や負担金などに1000円の増減が生じた。
所管する観光商工局は数字を訂正し、総務財政委員会には差し替えた資料で説明を行ったが、委員からは「選定委員会では差し替え前の誤った資料で審査が行われている」とし、審査の統一性や正確性に疑問を投げ掛けた。
これについて同局の垣花和彦局長は、選考委には訂正部分は報告していないとした上で「今回の修正内容は軽微なもので、選考内容の決定には大きな影響はない」と理解を求めた。
濱元雅浩氏は「選考委は差し替え前の資料を基に選考したことになる。再審査をすべきだ」とし「審査基準が甘い」と強調した。
國仲昌二氏は「指定管理者はどうせ継続するものだという意識が強く、気の緩みがあるのではないか」と指摘した。
この日の委員会では、観光施設を運営する指定管理者が、前年度実績を大幅に下回る事業計画を提出していることも明らかになった。
さらには、他の民間施設に比べて稼働率が低い状況のままで運営されている観光施設も報告された。
市はこの施設についても継続して指定管理者の候補者にするよう議会の議決を求めている。
総務財政委員会は2件の指定管理者の指定については「もう一度確認、議論が必要」としてこの日の採決を見送った。
3月定例会には17件の指定管理者の指定についての議案が提案されている。
市総務課によると17件中、新規の指定管理者の指定は1件で、残り16件は継続となっている。
指定管理者についての公募は「公募によらない」11件を除き、主に市のホームページで公募したがいずれも1団体のみが応募した。
選定委員会は1月30日と2月1日の2日間にわたり選定委員会を開催し▽市民に平等な利用の確保▽管理を安定して行う人的・物的能力-などを審査、採点し50%以上を獲得したことから指定管理者の候補者にしたとしている。
選考委は副市長、総務部長、企画政策部長、所管の部長4人と、市民2人で構成している。