【花は島いろ】砂川幸雄さん(65歳)光文堂コミュニケーションズ社長
ふるさとと共に発展目指す
【那覇支社】南風原町に本社を構え、総合印刷・広告全般を手がける光文堂コミュニケーションズの第3代社長に昨年就任したのは、平良下里出身の砂川幸雄さん(65)。現在、「人と人をつなぐ幸せを、いつまでも」をスローガンに社員140人と共に「100年企業」に向かってまい進している。
同社は光文堂印刷所として創設され、今年で創業68年を迎える老舗企業の一つ。砂川さんは『良い会社の3つの条件』として、第2代社長の外間政春氏が掲げた①「つよい」会社=社会に貢献する会社②「やさしい」会社=働く人が幸せな会社③「おもしろい」会社=高収益の会社-を受け継いで経営に挑んでいる。
千葉商科大学商学科を卒業後、沖縄銀行に入行した。企業融資の窓口業務を担当する支店に配属になり、約5年間融資業務の実務を学んだ。その後、同支店の企業担当となり、融資先企業の財務分析や審査業務を担った。
入社10年目には、支店長代理に昇格し、平良支店でも4年間勤務した。41歳の時には支店長に抜擢され、10年間で5つの支店に赴任した。「支店長として多くの地域の方々と触れ合えたことは、私にとって大変な財産になった。人と地域に深く関われたことを誇りに思っている」と話す。
その後、ローン事業を統括するローン推進部の部長として、さまざまなローンの施策に携わった。「お客様のことを一番に考えて取り組むことが何より大切」と笑顔を見せる。その後、沖銀JCBの常務や、沖縄三越の専務を歴任。これまでの経験を生かして、経営者として業務に励んだ。
60歳での退任後は、先代社長が大学の同窓生だったという縁で、同社顧問として入社。常務、専務を経て、昨年、社長に就任した。
経営者として大切に考えていることは「『公正平等』であること」という砂川さん。「社員がやりがいを持って働ける環境作りや、取引先の企業さんと共に成長する方法を常に考えることが大事」と力を込める。
現在、光文堂コミュニケーションズと同じ1950年に創業した県内企業12社が集い、地域社会への貢献を目指す「1950倶楽部」にも参加。県が抱える貧困問題に対し、恩返しの意味を込めて、ボランティア団体へ活動資金の寄付なども積極的に行っている。
今後について、「将来を担う若い社員たちがチャレンジできるような環境を整える必要がある。若者が活躍できる会社が『良い会社』だと思う」と述べ、「近年の目覚ましい宮古島の発展を励みにして、『ふるさと』と共に100年企業を目指して頑張っていきたい」と将来を見据えた。