「離島振興を強化」/当選から一夜明け
「県外」政府に強く求める/再選果たした仲井真さん
【那覇支社】28日投開票の第11回県知事選挙で、33万5708票を獲得し、次点の伊波洋一氏に3万8600票余りの差をつけて再選を果たした仲井真弘多さん(71)。当選から一夜明けの29日朝、那覇市寄宮の県知事公舎で報道各社のインタビューに応じ、離島振興強化など、2期目への取り組みに対する質問に答えた。
過去の県知事選挙では「最高齢出馬」の年齢だが、まだまだ若さあふれる様子の仲井真さん。選挙疲れをみせることもなく、自身の当選を報じる朝刊に目を通しながら各社の質問に答えた。午後は、同市内の後援会事務所で会見を開き、米軍普天間飛行場「県外移設」の公約などの所見を述べた。
「僕の(朝食)は粗食でしょう」と、当選一夜明けのインタビューを切り出した仲井真さん。長女ゆみなさん、二女知里さんが作った朝ご飯を食べながらの取材応答。「離島振興」について問われると、自らの主要政策として訴えてきただけに、口調も熱っぽく変わった。
前期4年間の県知事職の感想について仲井真さんは、「いろいろあったが、民主党政権ができたこと。そして、沖縄の失業問題が全国版になったことだ」と述べ、「その失業対策への(財政)出動が全国ベースになり、雇用対策が勢ぞろいしたことが印象深い」と話した。
離島政策で最初に着手したいことについて、「今、実験的にやっているが、飛行機運賃の割引を拡大することだ」と述べ、並行して船舶整備を充足させ、沖縄本島との格差を縮小させる意向を示した。
また、離島圏域の定住条件を整備し、各離島に存在する文化、芸能などを促進させつつ、選挙中に自ら提唱した「沖縄振興新法」で、離島振興を具体化することを強調した。
仲井真さんは「ある時期に気が付いたが、離島は、へき地ではなく、日本の広大な空間を形成する重要な場所だ」と述べ、国、県の補助強化で、目標とする「沖縄本島並みのユニバーサルサービスを目指す」と述べた。
午後の記者会見では普天間問題に質問が集中したが、公約した「県外移設」を政府に強く求めることを示し、仲井真県政の継続に対して北沢俊美防衛相が受け入れ容認の可能性を示唆する内容の「期待発言」をしたことについて、「政府が政策転換を求めても実行は不可能だ」と強い態度で拒むことを表明した。