12年度から不足見込む/市の収支試算
財政状況の厳しさ浮き彫り
市財政課はこのほど、2010年度から15年度までの財政収支の見通しを発表した。同課では国からの地方交付税が年3%ずつ削減されると見込んでいて、集中改革プランに従った行政改革を推し進めても、12年度から単年度収支で収支不足が発生すると試算。合併による特例算定されている交付税約35億円が段階的に削減される16年度までに約45億円の積立金が必要としているが、現時点では10億円弱にとどまるなど、市の財政状況の厳しさが浮き彫りとなった。
今回発表された財政収支見通しは、10年度当初予算を基礎に一定の仮定のもとで試算し、今後の傾向を示したもの。11年度は1億6500万円の黒字を見込むものの、12年度には7600万円、13年度は2億1800万円、14年度は5億8200万円、15年度は2億7800万円の収支不足を見込んでいる。
その要因としては、歳入の大きなウエートを占める地方交付税の減少が見込まれているのに対し、歳出は人件費などの事務的経費が多く、収入源に見合う歳出削減が困難なこと、制度改正に伴い社会保障関係費増に対応するため一般会計からの持ち出しも増加することなどが挙げられている。
財政不足に対して同課では、市債発行や普通建設事業、物件費の抑制などで14年度までの新たな行財政改革期間中は当初予算編成に対応できる見通しを示す。
その一方で、合併による特例算定されている交付税約35億円の段階的縮減が始まる16年度までに、縮減分プラス新ごみ処理施設建設費などの予算約10億円の計45億円の財政調整基金の積立が必要と試算。現在の積立額が10億円弱であることから、残り5年で35億円上積みが必要となる。
同課では「あくまで粗い試算」としながらも「宮古島市の財政状況は極めて厳しい」との考えを示している。