植え付けも全自動/サトウキビ
苗はハーベスターで
サトウキビの全自動植え付け機の実演会が30日、平良島尻の圃場であった。ハーベスターで刈ったキビを機械に投入し、畝上げから転圧までの全工程を一貫して行える機械。関係者が性能を確認し、宮古島への導入の可能性を考えた。
実演会は、農業生産法人豊農産と宮古地区さとうきび技術員会が共催した。生産者の高齢化で労働力が減退する中、植え付け作業においても機械化を検討していこうと企画した。
全自動植え付け機は、南北の大東島や久米島などで使われている。宮古島での実演会ではヤビク農機具の植え付け機を使用した。
トラクターの後部に取り付ける高さ2㍍50㌢の中型の植え付け機には、500㌔のキビの苗が入るホッパーに、定量の苗を正確に送り出すコンベヤーが取り付けられている。下部には肥料と農薬を入れるボックスがあり、畝上げから苗の投入、施肥、農薬散布、土かぶせ、転圧までの作業を全部この機械で行える。
メーカーによると、使用する苗は通常より1・5倍から2倍の量。ハーベスターで刈り取るため、梢頭部や芽のない苗が混入しているため、多めに使う。
作業効率の面では、大東島で1日に約4㌶を植え付けた実績があるという。
実演では、参加者が植え付けのスピードに注目。作業の効率化と労力の軽減を図ることができる機械の性能に目を見張っていた。
実演会を開いた豊農産代表の辺土名忠志さんは「将来の宮古島に必要になるのではないかと思う。高齢で労力が落ちても、しっかり収入を確保できる体制を構築したい」と話した。