地引き網体験に歓声/大神島
10年の節目 ラストイベントに150人
大神島自治会(久貝愛子会長)が受け入れを全面的に協力し、島ダコのくん製(方言名カーキダク)料理や島ラッキョウなどで温かくもてなす「感動体験!最強宮古島2018」が31日、同島で行われた。本土からの観光客100人を含めた総勢約150人が参加。青空の下、親子連れが力を合わせて引く地引き網を体験し、長い魚のヘラヤガラやメガネモンガラなどを水揚げし歓声を上げていた。
今回で10年目を迎えるイベントは、地引き網に協力する漁師らの高齢化に伴う体調を考慮し、ラストイベントとなった。
同ツアーは、ジェイトリップ(東京都、石橋幸夫社長)が中心となって企画し、宮島観光サービス(辺土名忠志代表)、宮古島観光協会(豊見山健児会長)が協力し、この10年間で約900人の観光客を受け入れた。
大神漁港での歓迎式で、久貝自治会長は 「皆さんをおじい、おばあたちもワクワクして待っていました。良い思い出になるように」と期待を込めた。
この後、観光客らは元自治会長の友利行雄さんの案内で島内を見学。島全体がとんがり帽子状の地形。全員が最高点(94・5㍍)の遠見台(地元ではトゥンバラと呼称)に登り、360度パノロマの絶景に感嘆の声を上げていた。
友利さんは「遠見台の頂上にある大岩はアマテラスオオカミ(天照大神)が天から降りる聖地なので、誰もその大岩には登らないでください」と注意を促していた。
メインイベントの地引き網は、二手に分かれ「よいしょ、よいしょ」の掛け声に合わせてロープや網を引っ張った。網に美しい魚が現れると、子供たちは駆け寄り手に持ったりした。
体験後、参加らは離島振興コミュニティーセンターに移動。地元に住む女性や同島出身の女性らがボランティアで参加し、自慢の海の幸の料理などでもてなした。
参加者らは「おいしい」と満面に笑み。舞台では、歌三線ショーが披露され、楽しい雰囲気に盛り上げていた。
大阪に住む植竹佑介さん(33)と妻の歩美さん(33)、長男・嘉斗君(12)、次男・謙志君(9)、長女・のあさん(8)は家族5人で参加した。
佑介さんは「感動の体験で良かった」、歩美さんは「嘉斗君が小学校を卒業し、4月から中学1年になる。卒業・入学を祝う記念で参加した」と語った。
嘉斗君は「宮古島の海は青くてきれい。焼き魚(タカサゴ)がおいしかった」と声を弾ませていた。
ラストイベントを迎え、大神島の「おぷゆう食堂」の大浦高儀代表は「これまで参加した皆さんに感謝でいっぱい」と感謝の意を表した。辺土名代表は「所期の目的は達成できた」と感無量の表情で語った。