浮き桟橋完成/池間漁港
漁民の利便性向上
県宮古農林水産振興センター農林水産整備課が池間漁港で整備を進めていた浮き桟橋がこのほど完成し、今月中旬から本格的に供用開始される。事業費1億6000万円(国90%、県10%をそれぞれ負担)。供用開始で、漁民の利便性が一段と向上する。
浮き桟橋は、箱状の浮体を4本柱の内側の海上に浮かべ、浮体と陸岸は渡り橋で連結された施設。浮体は潮位の干満に合わせて上下し、常に水面から一定の高さに保持するのが大きな利点。浮体は長さ30㍍、幅10㍍。4㌧車まで利用可能。
同課では「浮き桟橋が就労環境改善につながる施設になるよう、有効活用してほしい。今後の池間漁港の発展に期待する」と述べている。
池間漁協の与那嶺大組合長は「漁船への人の乗り降り、荷役の積み降ろしが干満に関係なく円滑に行われる。高齢化社会へも対応した人に優しい構造物」と評価する。その上で「これから浮き桟橋完成を記念した祝賀会を開きたい」と語った。
漁師らは「浮き桟橋の供用開始で足元の安全・安心が確保される」と早期の利用に期待を寄せている。
今回の浮き桟橋は2017年度水産生産基盤整備事業で整備した。同課によると、干潮時の岸壁から漁船への乗り降りや準備、陸揚げ作業は岸壁と漁船との高低差が約2㍍にもなるため、漁業就業者の高齢化の進行に伴い、重労働となってきている。このため漁業就業者の就労環境改善が課題であった。
岸壁前面に浮体式係船岸を整備し、漁業就労者の就労環境向上を図るのが目的で実施された。