乳牛、全てを売却/島内から酪農消える
宮古で唯一、酪農牧場を運営していた農事組合法人が1月末で酪農事業を廃業したことを受け、所有していた乳牛の売却が3月20日ごろまでにすべて完了した。職員の業務も3月末までに終了し、これまで100頭以上の乳牛がいた牛舎は現在、閑散としており島内における酪農事業は終了した。
乳牛の売却は、2月から進められ同月中に約50頭が売却され、3月中に残りの乳牛がすべて売却されて完売となった。
島内での酪農事業終了に伴い、これまで民間で島内産の生乳を活用した商品も島外産に変更を強いられている。
市議会の3月定例会ではこの問題について、一般質問でも取り上げられた。
答弁で松原清光農林水産部長は「一部で島内産の生乳で商品開発を行い、大都市で宮古島産生乳を利用した商品であることをPRしながら販売して人気を博していたと聞いている。市としても地産地消や独自産業の観点から酪農再開を早期実現できるよう県などと協議していきたい」との見解を示している。
今回の酪農事業の終了を受けて島内の学校給食は2月以降、生乳が供給できなくなり、沖縄本島から加工乳を移送して供給していた。
市教育委員会は県畜産課、県学校給食会と協議し、4月から再び生乳を供給する方針を決定し、新学期からの学校給食は生乳が供給される予定となっている。