行雲流水
2018年4月19日(木)8:54
【行雲流水】(前浜ビーチ)
トライアスロン宮古島大会が近い。夏本番到来だ。スタート地点の前浜ビーチは、海と砂浜のコントラストが雄大で美しい。昼の景色だけではない。夕日のいろどり、満天の星空、水平線上の南十字星などにも旅人は感動するようだ
▼宮古島は今、島をあげて〝おもてなし〟の準備に余念がない。大会当日は、海面下にも多数のフロッグマンを配置して安全確保に万全を期すという。選手たちの健闘を期待したい
▼過ぎしひと夏、本土からきた孫と前浜ビーチで遊んだことがある。本物の海を体験させたいが、前浜の海は流れが速い。自分の孫とはいえ、親権がないという意味では他人の子だ。小学低学年生2人の「安全第一」を考えた▼人影のない海辺を選んで、それぞれの浮き輪に50㍍ほどのヒモをつけ、浜辺で監視することにした。〝鵜匠〟よろしく手綱さばきをしているうちに、姉弟2人がじゃれ出した
▼はしゃぎすぎたのか、下の子の首にヒモがからまり「助けて~」の声。急いでヒモをたぐると、ますます首を締める結果になり「苦しい~」の悲鳴。引っ張り続けるわけにもいかず、海に飛び込んで事なきを得た
▼昼食時、本土にいる母親に子どもたちの元気な声を聞かせることにしたが、下の子はいきなり「おかあさん、ぼく20回溺れた」。あわててケータイを取り戻し、「潮水を飲んだ」の意味だと弁明しつつ冷や汗が流れた。日頃、波のない淡水プールで泳いでいる都会っ子たちだ。リアルな自然の過酷さを体験させることの大切さと難しさを思い知らされた夏だった。(柳)