海の恵みに感謝/市民らサニツを満喫
宮古の伝統行事「サニツ(浜下り)」に当たる旧暦3月3日の18日、各地の海岸のサンゴ礁では多くの市民が思い思いに潮干狩りを満喫した。このうち、伊良部のサンゴ礁では市民らが漁具でタコを捕獲し、素手でアワビやサザエを取り、釣りでアイゴなどをゲットするなど、海の恵みに歓声を上げ感謝していた。
この日の宮古島は晴れで、日中の最高気温は23度を超えた。北東の風が風速7㍍前後で吹き渡り、絶好の潮干狩り日和。
伊良部島・下地島の周辺の干上がったサンゴ礁には、住民らが訪れ潮干狩りでにぎわった。
佐良浜地区に住む喜久川博さん(77)は地域のタコ捕り名人。サンゴ礁の上でタコの巣穴を見つけると、手作りの銛でタコを捕獲した。
喜久川さんは「家に帰ったらタコ料理を作り、亡妻に供え、いつも見守ってくれていることに感謝したい」と語った。
その上で「17日はタコ6匹を捕った。5匹は7000円で売りさばき、残り1匹は孫にプレゼントした」と笑顔で話した。
伊良部南区の渡久山淳さん(60)は、サンゴ礁の表面で良型サイズのアワビ2個を見つけ素早く取った。
渡久山さんは「アワビは逃げるのが速いから、急いで取る。サザエは20個以上取ってあるから家族が喜ぶ」と満面の笑み。
同じく喜久川和雄さん(58)は、サンゴ礁の端っこで釣りざおを振った。手応えの強い良型アイゴを立て続けに釣り上げた。
和雄さんは「アイゴはおいしい魚だ。家族でアイゴ料理を味わいながらサニツを楽しみたい」と計画を立てていた。