「私宅監置」の歴史記録/県立博物館で写真展
宮古関係者の証言も展示
【那覇支社】精神障がい者を小屋や自宅の裏座などに隔離する「私宅監置」の歴史を記録した写真展、「闇から光へ~知られざる沖縄戦後史~」が17日から、那覇市の県立博物館・美術館県民ギャラリーで催されている。会場には、宮古を含む県内各地での私宅監置について多くの写真や証言が展示されている。入場無料で22日まで。
写真展では、復帰前の1964年に日本政府から派遣された岡庭武医師が撮影した記録写真や精神医療史の年表、当時を知る医療関係者の証言、現存する監置小屋のレプリカなどが展示されている。元宮古病院医師や元宮古保健所看護職員による、当時を振り返った証言もある。
この写真展は、沖縄県精神保健福祉会連合会、県精神保健・医療・福祉連絡協議会が主催。同連合会の山田圭吾会長は「当事者たちの苦悩を、少しでもイメージできる展示にした。写真展を通して歴史を知ることで、現在の精神保健の課題を見つめ、差別・偏見のない沖縄社会をつくっていきたい」と話していた。
22日には、「私宅監置の実態を知り今後を考える」をテーマに、当時の保健所職員らパネリストによるシンポジウムのほか、72年制作のTBS番組「生きていた座敷牢」の上映も同館講堂で行われる。
同連合会では今後、宮古を含む県内各地区での巡回写真展も予定している。