「生きる資料を収録」/市史第二巻祭祀編を発刊
「市民の活用を」と教育長
『宮古島市史第二巻祭祀編(上)重点地域調査みやこの祭祀』の発刊に伴い、市教育委員会(宮國博教育長)は24日、市役所城辺庁舎で会見し、宮國教育長は『みやこの祭祀』を高く評価した上で「祭祀は、人々の暮らしに深く根づく関係を持つ。人々の考えが反映された内容で『生きる資料』として収録されている」と強調した。さらに「本書が、多くの市民に親しく読み継がれ、活用されることを祈念している」とアピールした。
『みやこの祭祀』には▽宮国集落の年間祭祀▽字福里の年間祭祀▽宮原地域の年間祭祀ーを収録。年間祭祀の調査結果が詳しく紹介されている。
同席した市史編さん委員会の下地和宏委員長は「宮国集落は祭祀の古い形態を保持する。字福里は1875(明治7)年首里王府により村建てされた最後の集落。宮原地域は明治以降に各地から人々が集まって九つの小集落を形成された考えられ、それが現在一つの行政区としてまとまっている」と前置きし「実際に行われている祭祀の実地調査を大原則とした。祭祀の概略を読めば、その集落の祭祀が丸ごと分かる。文献資料をひも解く鍵にもなり、歴史をもう一度見直すこともできる」と述べた。
その上で「祭祀は基本的には神に対しての健康祈願、集落の繁栄、航海安全を祈願するもの」と結んだ。
方言の表記は原則としてカタカナと国際音声記号を用いた。宮古方言の特色の一つとされる「中舌母音(なかじたぼいん)」なども表記され、言語資料としても価値が高い。
『みやこの祭祀は』は、カラー写真が多用され、B5版、全607㌻。500冊を発刊。500冊の内、300冊は関係機関に配布、残り200冊は5月から市内の書店で販売する。
問い合わせは、市教育委員会生涯学習振興課(電話77・4947)へ。