親の仕送りに頼る/宮古島市
生活苦が浮き彫りに/18年度予算を家計簿で見る
宮古島市は2018年度当初予算(一般会計)を年間に必要な生活費500万円の家計に置き換えて算出した。それによると、自ら稼いだ給料(市税)は68万円、臨時収入(負担金・使用料など)は18万円で、足りない分の344万円は親からの仕送り(地方交付税、各種交付金など)に頼っている。苦しい生活状況が続いており、自立にはほど遠い状況が浮き彫りになった。
市は予算を市民に身近に感じて関心を持ってもらおうと、数年前から家計簿に置き換えて市の広報誌で紹介している。
市の18年度一般会計当初予算は、歳入歳出総額372億1600万円。
これを家計簿にした場合、収入で最も多いのが親からの仕送り182万円、次に親から特別にもらう仕送り(小遣い)162万円で、全収入(500万円)の約70%を占めている。
年額給料(市税)は68万円しかないのに、ローン借入(公共事業などの資金として長期に借り入れる市債)が61万円と年収に見合わないローンを組んでいる。
一方、支出を見ると、人件費に当たる「食費」が77万円、非常勤職員の賃金や職員の出張旅費、備品購入費、公共施設維持管理費などの物件費に当たる「光熱水費、通信費」は84万円となっている。
食費や光熱水費などは年々切りつめて少なくしているが、自宅(公共施設など)の増改築や修繕費が114万円と多額で家計を圧迫しているのが分かる。
また、生活保護費などの扶助費に当たる「医療費や介護サービスなど」も111万円で費用がかかっている。
少ない収入で生活をどう維持していくかという大きな課題を抱えているにもかかわらず、27万円を「子供への小遣いなど(各団体の活動支援や農林水産関係への補助金)」に充て、さらには「ローンの返済(公債費)」として49万円を支払っている。
資産状況を見ると、預貯金の総額が215万円と年々増えているが、ローンの残高が550万円あり、将来に不安を抱えている。