市の公共施設数は307/維持管理費13億円超
類似施設多く統廃合課題に
宮古島市の公有財産に当たる市役所や小・中学校、市営住宅などの公共施設は307施設、年間の維持管理費は13億8500万円に上ることが、市がまとめた公共施設再配置に向けた計画書で分かった。グラウンドや体育館、庁舎、公民館などの公共施設は1自治体に一つが基本だが、宮古島市は5市町村合併により類似施設が複数存在している。安定的な財政運営を目指す上でも、施設の統廃合が喫緊の課題となっている。
市は、公共施設の全体を把握し長期的な視点で更新や統廃合、長寿命化などを計画的に進めようと、16年度に「公共施設等総合管理計画」をまとめた。
それによると、市の公共建築物の総面積は約47・2万平方㍍で、市民一人当たり約8・7平方㍍。全国の市町村平均3・6平方㍍の2倍以上となっている。
整備時期は1983年をピークに1990年代から2000年代前半、2010年以降に集中。最初のピーク時の施設は、築後30年から39年ほど経過しており、建て替えの検討が必要となっている。
施設の維持補修に掛かる費用(13年度)は小、中学校などの学校教育系施設が全体の34%と最も多く、次いで観光施設を含む産業系施設の20%、公営住宅等13%などとなっている。
市は、公共施設の管理に関する基本的な考え方として社会情勢や経済状況が大きく変化する中、設置の目的や意義が薄れ、利用率が低下している施設や設置目的が重複している施設は統合・廃止に努めていくとしている。
宮国高宣総務部長は「公共施設等の統廃合や、再配置による施設等の維持管理及び更新に係る経費の縮減は喫緊の課題」と指摘。今後、交付税の減少や一般財源の不足が見込まれる中、類似施設の統廃合に徹底して取り組んでいく考えを示した。
公共施設は、市民生活と密接な関わりを持つことから、施設の統廃合に難色を示す市民もいるが、宮国部長は「旧市町村単位での類似の施設の維持ではなく、市の規模、利用度に応じた施設の配置に対して理解していただきたい」と協力を求めている。