新施設で“船出”/伊良部漁協
水産業拠点で業務開始/15日に食堂開店、ロゴマークも作成
伊良部漁業協同組合(漢那一浩組合長)は7日、佐良浜漁港内に新設された伊良部漁協地区海業(うみぎょう)支援施設2階で業務を本格化させた。漢那組合長は「新施設は水産業の拠点なので、これまで以上に活性化を図りたい。新鮮な魚介類の販売推進や観光漁業の推進、修学旅行生の受け入れ推進を強化していく」と決意を新たにする。
新施設での晴れの船出に伴い、ユニークに取り組みを展開する。1階に併設された食堂の名称は「おーばんまい食堂」。「おーばんまい」とは佐良浜の方言で、日本語では「大判振る舞い」と対訳される。
佐良浜では伝統的なハーリーの日や新造船が進水した日などに漁船の乗組員らが生カツオをぶつ切りにし、船上からそのぶつ切りを岸壁に訪れた住民らに気前よく振る舞っている。気前の良い祝儀の一つで、その由来を食堂名とした。
「おーばんまい食堂」は15日にオープンする。営業時間は午前11時~午後3時。地元産食材をふんだんに使ったカツオやマグロの海鮮丼、グルクン押寿司、ごまヅケ丼、魚天ぷらーなどを提供する。
今後の新たな戦略を視野に入れ、漁協用のロゴマークと食堂用のロゴマークをそれぞれ作成した。二つのロゴとも円がベース。漁協用がカツオ、グルクン(和名・タカサゴ)、アギヤー(大型追い込み漁)でグルクンを追い込む漁具、食堂用が「おーばんまい」を振る舞う風景をそれぞれモチーフに生き生きと表現した。今後、オリジナルのロゴ入りTシャツなどのグッズを販売する方針。
同漁協は2016年12月、既存施設が老朽化が進み危険な施設であることから、市佐良浜スポーツセンターに引っ越し。その後、市が既存建物を撤去し、新施設を建設した。引っ越しから約1年半ぶりに新施設に入居した。市は指定管理者制度に基づき同漁協に管理を委託している。
漢那組合長は常勤で、他の理事・監事は非常勤。職員は正規職員7人、非正規職員3人。