翁長知事、膵がん公表
退院も当面静養/知事選出馬は明言避ける
【那覇支社】翁長雄志知事は15日午前、浦添市の病院を退院し、同日午後には県庁で記者会見を開いた。会見では、膵臓(すいぞう)に見つかり手術で摘出した腫瘍が、ステージ2の膵がんだったことを明らかにした上で、早期の公務復帰に意欲を示した。11月に想定されている県知事選への出馬については、明言を避けた。
翁長知事は、人間ドックなどで3㌢大の腫瘍が膵臓に見つかり、4月21日に摘出手術を受けていた。膵臓周囲のリンパ節に転移が見つかったが、同じ手術で切除したという。その後は順調に回復したことから、退院に至った。
会見で翁長知事は、「一日も早く公務に復帰し、与えられた知事としての責任を全うしたい」と述べた。また、「定期的に通院し、抗がん剤治療を合わせて検査していきたい」とも語り、公務復帰と治療を並行させる方針を示した。
摘出した腫瘍が悪性だったことへの感想は、「那覇市長のころ、胃がんで摘出手術を受けている。今回は膵がんだが、冷静に受け止めて治療に全力を傾けたい」と答えた。
県知事選への出馬に関しては「公務をしっかり行うのが一番の眼目で、その中で負託に答えていきたい」と述べるにとどめた。翁長知事は、これまでも県知事選への出馬について態度を表明しておらず、膵がんとの診断で今後の動向が注目される。
一方、かりゆしグループオーナーで沖縄観光コンベンションビューローの平良朝敬会長は、会見を受けて県庁で記者団に対し「心配していたが、体力の回復を待てば十分できると思う」との感想を述べた上で、知事の2期目出馬について「当然だ」と語った。