融資額は67億5100万円/17年度公庫宮古支店実績
大口増で前年並み/「小規模」は資金繰りに余裕も
沖縄振興開発金融公庫宮古支店(安里高志支店長)は17日、2017年度の管内の融資実績を発表した。それによると、件数は483件で前年度比で120件減となるも融資額は67億5100万円となり前年度(69億7100万円)並の実績となった。同支店では「公共工事の着実な進ちょくや入域観光客の増加など管内経済の活性化が続いてるので、融資実績はおおむね前年度並みとなった」としている。
資金別の中小企業等資金(中小企業資金、生業資金、教育資金、恩給資金)の融資実績は、465件(前年度比17・6%減)で融資額は60億2400万円(同比6・3%増)となった。
件数が減少した一方で、融資金額が増加した要因について、同支店では「建設業などで大口の利用がかなり好調で、融資額は増えた。件数減については小規模事業所への資金融資などが含まれる生業資金が前年度から約9億円減少したことが大きい」と説明した。
生業資金は、16年度の37億6200万円から17年度は28億2000万円に減少している。
これについて、同支店では「生業資金には、小規模事業者に対する融資も含まれ、その需要が落ち着いている。これは、管内の景気が良いことを受けて、小規模事業者の資金繰りが改善傾向にあり、資金に少し余裕が出てきているようだ。それが資金需要の減少につながった」と分析している。
管内の景気についても「宮古は、観光が好調でそれが及ぼす影響は裾野が広い。クルーズ船で2000~3000人の観光客が一気に訪れる影響は大きいようだ」と述べた。
また、融資額の構成比では建設業が昨年の26・6%から一気に伸びて32・3%。融資額も21億7800万円となっている。
次いで、製造業が18・5%で12億4700万円。不動産業・物品賃貸業が13・9%で9億3700万円となっている。
そのほか昨今、深刻化する人手不足を受けた支援として経営力向上計画に基づいて労働生産性の向上を図るための「新事業活動促進資金」について、同所管内で1件、270万円の融資を行ったことを発表した。
教育資金も190件、1億8600万円の実績となり、昨年度引き続き高水準を維持した。
今後について同支店では「地域の持続可能な地域社会づくりに向け、関係機関や民間金融機関とも連携を図るとともに、本店による大規模プロジェクトへの対応も含め、引き続き地域における多様なニーズに適切かつ迅速に対応していきたい」と述べた。