米軍機 宮古空港使用へ/今月11、13日演奏会理由に
県は自粛要請、市民団体反発
米海軍は2日、宮古空港を管理する県土木建築部空港課に、今月11日と13日に同空港を使用する「届書」をファクスで提出した。使用理由は、米海軍第7艦隊音楽隊のバンドスタッフと荷物の輸送で、使用機種は米海軍所属の人員輸送機「C-9」1機。県知事公室は同日、外務省日米地位協定室長、在沖米国総領事、在日米海軍司令官に、緊急時以外の使用を自粛するよう要請した。市民団体は「米軍の存在を示そうとする宣撫活動以外の何ものでもない」と反発している。
同音楽隊の演奏は今年9月5日にマティダ市民劇場で予定されていたが、台風による悪天候を理由に取り止めとなっていた。ただ、主催する在沖米国総領事館は、「12月12日の開催を予定し、マティダ市民劇場の使用を申請中」としていた。
県空港課によると、米軍機は11日に神奈川県の厚木基地から宮古空港に飛来し、同日午前11時40分~午後1時10分まで使用する。13日は厚木基地に戻るため午前9時40分~午前11時10分まで使用する。
これに対し県知事公室の又吉進室長は「宮古空港は民間航空機の運航を目的として設置された空港であり、民間航空機の円滑かつ安全な運航を確保する観点から、緊急やむを得ない場合を除いては、米軍は使用すべきでない」とした自粛要請を提出した。
下地島空港の軍事利用に反対する郡民の会の星野勉代表は、今年9月に米掃海艦が平良港に強行入港したことを挙げ「あの時も、市民との親善や友好を目的としていたが、結局は米軍のプレゼンス(存在感)を示すことや港湾の調査が目的だった。今回の演奏会も民間機を利用せずに軍用機で来るということは、宣撫活動以外の何ものでもない」と述べ、抗議行動を展開する考えを示した。