利用者は7万2000人/17年度JTAドーム宮古島
収入は計画比で大幅減 管理運営、厳しい1年に
宮古島市観光商工部交流推進課はこのほど、昨年4月に供用を開始したスポーツ観光交流拠点施設「JTAドーム宮古島」の年間利用者数をまとめた。延べ7万2216人、月平均で6018人が利用した。同課では「初年度としてはいろいろなイベントを開催することができた。市民の利用も多かった」と前向きに総括している。ただ、集計中の「使用料」(収入)は計画と比べて大幅に落ち込む見通しだ。新年度予算に計上した使用料は前の年度の約6割減。当初計画と大きくかけ離れた1年目の実態が浮かび上がっている。
交流推進課がまとめた利用実績によると、メインアリーナは6万7579人が利用した。会議室は4633人。施設前のみーや広場の利用は4人だった。
アリーナの月別利用状況を見ると、最も利用者が多かったのは11月の2万5276人だった。産業まつりの開催が大きく、2万人以上を集客している。
5月は6867人、8月には5192人が利用している。そのほかの月は2000~4500人。
アリーナの利用目的は▽グラウンドゴルフ▽フットサル▽ゲートボール▽保育園の運動会やおゆうぎ会-が主だった。産業まつりのほか、トライアスロンの開会・閉会式、音楽のライブコンサートなどのイベントでも利用された。
天候の影響を受けない全天候型施設の利点が生かされており、新年度も同様のスポーツ、イベントでの利用が見込まれている。
交流推進課の平山茂治課長は「初年度にしては、いろいろなイベントを開催できたと思う」と話し、営業活動の成果が一定程度表れたという総括に加え、「市民も子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が利用してくれた」と振り返った。
供用2年目は「文化祭など地域のイベント開催が予定されている。子ども向けのイベントも積極的に打ちたい」と話し、ドームの利用促進を図る考えだ。
一方、収支の面では厳しい実績となった。具体的な数字は6月中にもまとめるが、すでに市は18年度当初予算の「使用料」を前年度の1100万円余から415万円余に減額して計上している。理由として「使用料の落ち込み」を挙げ、公共団体や園児、高齢者の利用時に適用できる使用料の減免措置が「予想以上に大きかった」としている。平山課長は「市民が使いやすいようにもともと高い料金設定ではないが、当初の見込みより少ないのは課題になる」と話した。収支計画に関しては、市議会でも取り上げられ、複数の市議が計画の見直し等を求めている。市は「まだ1年であり、あと数年は状況を見たい」(18年3月の議会答弁)としており、現段階での見直しは考えていない。今後の利用状況を見ながら検討する考えだ。