宮古地区 昨年の労災44件/過去10年で2番目
3割が「転倒」女性多く
労基署「人手不足でリスク高まる」
宮古地区における2017年の労働災害(労災)は44件発生し、過去最高だった前年の52件より8件(15・4%)減少したものの、過去10年間では2番目に多かったことが宮古労働基準監督署(宮國浩署長)が23日発表した発生状況で分かった。約3割が「転倒」によるもので女性が多い。同署は「人手不足や工事量の増加などで、発生のリスクが高まっている」と指摘し、防止対策の強化を呼び掛けている。死亡災害はなく、2012年以降ゼロが続いている。
労働災害(休業4日以上)の「転倒」は14件発生し、全て第3次産業。女性が12人(86%)で、うち10人(71%)は50代以上だった。
経験年数5年未満が9人と、全体の64%を占め「経験の浅い人への安全教育の実施が求められている」(同署)。
転倒の原因は「滑り」によるものが全体の半分以上を占めている。
同署では防止対策として▽歩行場所に物を放置しない▽床面の汚れ(水、油など)を取り除く▽床面の凹凸や段差の解消-などの「整理、整頓、清掃、清潔」を強調。「転倒は骨折に至ることも多く、休業日数が長くなる場合も見受けられる」として、日常での安全活動などの実施を呼び掛けている。
労災の発生状況を業種別でみると商業と接客娯楽業が各8件と最も多く、次いで保健衛生業7件、建設業と製造業各6件、ビルメンテナンス業4件と続いた。
時間帯では午前8時台が7件で最多、次いで午前11時台が6件などとなっている。
一方、県全体の発生状況は1190件で前年比99件(9・1%)増となり、復帰後5番目の多さ。前年5件だった死亡災害も14件と9件増えた。