台風想定し情報提供/災害情報共有システム
全国合同で訓練実施
総務省が所管する災害情報共有システム(Lアラート)の全国合同訓練が23日に行われた。災害情報を地域住民へ迅速に伝達させるため地方公共団体などからの情報を集約し、放送局や新聞社へ提供するシステムで、今回は台風が接近したとの想定で、宮古島市では平良庁舎で防災危機管理課が避難所開設や避難勧告などの情報を専用端末で入力、送信する訓練を行った。
同システムでは都道府県や市町村、ライフライン事業者などが情報発信者となり災害時の情報をインターネット回線を使ってメインサーバーへ送信することで全国の情報を集約。放送局や新聞社、インターネット事業者など同システムの情報伝達者として加盟しているさまざまなメディアは専用サイトへアクセスして情報を入手し、ニュースなどとして地域住民へ伝達する。
総務省が2011年6月から運用を開始したもので、沖縄県では15年度から防災情報システムとLアラートを連動させ、災害時に必要な情報を住民へ伝達する仕組みを構築した。
訓練では県から台風接近の注意喚起情報を受けた市防災危機管理課が、避難所開設、避難勧告や避難指示を発令したとの想定で、それらの情報を専用端末で入力、送信する作業を行い、実際に専用サイトでその情報が掲載されているかなどを確認。台風が通過したとの情報を受け、訓練を終了した。
防災危機管理課の友利幸正課長は「緊張感を持って訓練に臨んだが、ほぼ予定通り、スムーズに行うことができた。すでに実践でも活用していて、以前は災害時に全国のマスコミから問い合わせが来ると事務機能がパンクして大変だったが、このシステムを導入してからは、ここの情報を見てもらえばよくなったので助かっている」と語った。