サヤインゲン、産地認定へ/県推進会議
過去最高の93㌧を出荷/生産拡大で着実な成果
宮古島市で生産されるサヤインゲンの今期出荷量が過去最高の93㌧に上ることが29日、分かった。県の拠点産地認定に向けて生産拡大が進んでおり、順調にいけば今年度中にも認定される見通しだ。来期は100㌧超を目指す。同日あった県の推進会議並びに市野菜産地協議会さやいんげん振興班会議で認定までの流れを確認。取り組みを一層強化する方針を確立した。
宮古島産サヤインゲンは近年生産量を大きく伸ばしている重要品目だ。本土産が出回らない11月から5月にかけて出荷しており、市場での引き合いも強い。
JAおきなわ宮古地区営農振興センターのまとめによると、今期(2017年11月~18年5月)の生産農家は56戸、栽培面積は450㌃だった。面積は前期比120㌃増で、生産規模は着実に拡大している。
今期は強風等でビニールの被服と播種が遅れたというが、生産量はしっかり確保した。前期の79㌧、計画の89㌧をそれぞれ上回る93㌧を出荷している。
月別に見ると3月が最も多くて30㌧、2月の19㌧で続いた。4月は17㌧、1月は16㌧となり、すべての月で前期を上回った。
ただ、出荷のピークが後ろにずれ込んだことで単価は伸びなかった。11月の1464円を最高値に下降を続け、4月には711円まで下げている。出荷のピークを前に寄せることが所得向上の鍵になりそうだ。
県、市、JA、生産者らで構成される県の推進会議は、拠点産地認定に向けて講習会や現地研修などを実施してきた。会議では、取り組みの成果と生産状況を確認しつつ、拠点産地の認定に向けて一層活動を充実させる方針を確認した。
今後は、生産振興計画を策定するなど取り組みを加速させて認定を目指す。
拠点産地の認定を受けると、国や県の補助事業を導入しやすくなるというメリットがある。県内では南城市、うるま市、八重瀬町が認定を受けている。栽培面積をはじめ生産出荷組織の設立、生産振興計画などの策定が認定条件となる。
会議の冒頭、会長で宮古農林水産振興センター農業改良普及課の名嘉真清美課長は「新規農家の確保、産地リーダーの育成などが図られ、活動の成果は着実に表れている。生産拡大は進んでいる」と強調。「拠点産地の認定に向けて、引き続き取り組みを強化していきたい」と述べ、参加者に目標の達成を促した。