ごみ散乱にあぜん/大規模野外焼却も確認
不法投棄防止パトロール
毎年5月30日は語呂合わせで「ごみゼロの日」。県や宮古島市、多良間村、警察、消防、海保など関係機関が同日、不法投棄等一斉パトロールを実施した。参加者は、道路や原野に散乱するごみにあぜん。平良の島尻漁港では大規模な野外焼却の現場も確認した。市民のモラルが問われる中、県や市は警察と連携して監視活動を強化する。
パトロールには約20人が参加し、主に平良と城辺地区の現場を見て回った。
平良西仲宗根の住宅街では、未分別のごみが道路脇に放置され、回収されていない現場を見た。周辺住民が自宅前ではない場所に捨てているとみられる。
マナーが守られていない現状に参加者からは「捨てた人を調べるべきだ」「防犯カメラを設置して厳しく対処する必要がある」などとする声があった。
この後、平良港下崎埠頭に向かった。この場所は27日にボランティア清掃を行い、およそ1㌧のごみを回収したばかりだが、別のごみが散乱していた。「不法投棄は犯罪です!」看板のそばに、使い古しのマットレスやクーラーボックス、鉄くずなどが見られた。
島尻漁港では、廃棄物処理法で禁止されている野外焼却の現場を見た。今月20日、消防への通報で禁止行為が発覚したという。
燃やされたごみはさまざまで、缶や瓶、ペットボトル、廃材、鉄くず、紙類など。キビもあった。灰の上に新しいごみが捨てられていることも分かった。
現場には焦げた臭いが漂い、黒ずんだごみは周辺の景観を乱している。参加者は「理解できない」と口をそろえ、焼却した者の特定を急ぐ方針を確認した。
城辺では廃プラスチックや生活ごみの不法投棄が見られた。参加者は、各現場の視察を通して、ごみの不法投棄及び不適切処理防止に向けた監視活動強化の重要性を再認識していた。
パトロール前の出発式では、県宮古保健所の宮里義久所長が「廃棄物の適正処理の推進と不法投棄の未然防止に取り組みたい」と強調し、パトロールの参加者に協力を呼び掛けた。
同所によると、2016年度に宮古地区で確認された不法投棄は6件、重量220㌧で、県全体の重量に占める割合は12・3%。