かん水、8日から実施/少雨受け宮古島市
農作物被害を懸念
宮古島市は4日、サトウキビ畑を中心にかん水を実施する方針を決めた。少雨傾向による農作物への被害を最小限に抑える。早ければ5日にも受け付け、8日にはかん水を始める方向で準備を進めている。宮古島地方は3日に市街地で68㍉の雨を観測しているが、城辺や下地、上野、伊良部ではほとんど降っていないことを踏まえて判断した。かん水の料金は大型トラック1台3900円、農家の負担は2000円となる。
宮古島地方は先月8日の梅雨入り以降、雨が少ない状況が続いている。市は先月30日に干ばつ対策会議を招集して対応を協議。当面の天候を見て判断することを申し合わせていた。
予報で1~3日の雨が期待されたが、十分な降水量はなかった。市街地では3日に68㍉を観測したが、城辺や上野などほかの地域では5㍉も降らなかった。
農業用水として活用される地下ダムの水位も低下しており、管理する宮古土地改良区によると、4日午前0時現在の貯水率は砂川ダムが60・52%、福里ダムが82・24%。同区では「水を使う曜日と使用量を守ってほしい」と農家に適切な利用を呼び掛けている。
こういった状況を踏まえて市がかん水する方針を固めた。4日から関係方面との調整に入り、かん水の手順を再確認している。申込書の準備を急ピッチで進めており、早ければ5日にも受け付けを開始する。
市農政課の松原直樹課長は「雨が少ない状況が続いているため、かん水作業を実施する。かんがい施設がなく、種苗用のキビを栽培している圃場を優先して実施したい」と話した。
かん水を実施する場合は原則として10㌃当たり30㌧を基準とする。1農家当たり20㌃を1巡とし、2巡目以降のかん水は天候を見ながら判断していく。
今回の少雨の影響で、サトウキビには少しずつ被害が出始めており、一部ではロール現象が見られる。生育旺盛期にある株出しや春植えのキビに与えるダメージも懸念されている。