商業施設に損害補償を/伊良部南区断水問題
有志の会が市議会に陳情/議運と全員協議会
観光客への損害賠償議案も提案
市議会6月定例会に向けた議会運営委員会と議員全員協議会が8日、市役所平良庁舎で行われた。議運では、日程や陳情文について協議。伊良部南地区商業施設有志の会からの「伊良部南地区断水について各商業施設への損害補償対応の陳情」が受理された。今後、経済工務委員会で審議していく。また、議案説明では3月に発生した川満漁港遊歩道の橋が折れて落ちけがをした観光客への損害賠償額の議案などについての説明が行われた。
伊良部南区の断水は4月27日に発生。28日には南区のほぼ全域で断水したり、水が少ししか出なかったりする影響が出た。断水は最大で4日間続いた。
この期間は、ゴールデンウイークと重なり、多くの観光客が宿泊していたホテルなどに影響が出た。
陳情では、市議会に対して、各商業施設への被害の甚大さへの理解と市議会として、市当局に責任ある補償対応を求めている。
複数のけが人出た損害賠償議案について当局の説明では、事故の発生が3月12日。市の管理瑕疵(かし)により、橋が中央で折れて落ち、北陸3県からの観光客12人が被害を受けた。
今回、提案されたのはこのうちの6人分で、賠償額は15万4000円分となっている。
残りの6人のうち、2人は損害の程度がほとんど無いことから賠償請求を辞退。残りの4人のうち3人はろっ骨骨折など全治3~6カ月のケガで、まだ損害額が決定しておらず決定次第、今後の議会で議案を提案するとしている。
今回の賠償額については全国市長会市民総合賠償補償保険から支払われる。
事故が3月に発生したにもかかわらず、6月まで発表していなかったことについて、担当の市水産課は「事故の発生を知った段階ではすでに被害を受けた観光客は宮古を離れており、さらに被害者が北陸3県にまたがっているなど、状況を把握するのに時間を要し、発表のタイミングを逸してしまった。それでも、もっと早めにやるべきだったと思う」と話した。
そのほか6月定例会には、予算議案2件、条例議案5件、議決議案17件、報告8件など合計35議案が提案されている。
今回の一般会計補正予算額は、5億2454万5000円となっている。