4月の県内景気「拡大」/日銀那覇支店
57カ月連続で判断維持
【那覇支社】日本銀行那覇支店(桑原康二支店長)は8日、4月の県内金融経済概況を発表した。県内人口の増加と雇用・所得環境の改善で個人消費が堅調に推移しており、観光も好調で、建設関連も公共投資が底堅いこと、住宅投資も高水準なことから、57カ月連続で「県内景気は全体として拡大している」との判断を維持した。
▽個人消費
百貨店・スーパー売上高は、食料品などの販売が伸び前年を上回った。コンビニエンスストア売上高も新規出店効果のほか、弁当などの売り上げが好調で前年より伸び、3業態の売上高合計でも前年を上回った。
自動車販売台数は、中古車が高水準だった前年から減少したものの、新車販売台数は幅広い車種で堅調に推移し、全体では前年を上回った。
家電製品販売額は、テレビなどの販売が伸び悩み前年を下回った。
▽観光関連
入域観光客数は、国内客、外国客ともに個人旅行を中心に前年を上回った。主要ホテルの客室稼働率は、那覇市内ホテルで前年を上回ったが、リゾートホテルでは前年を下回り、全体でも前年を下回った。
▽建設関連
公共工事保証請負額は前年を上回った一方、新設住宅着工戸数は下回った。主要建設会社(下請け除く)の受注額は、民間工事、公共工事ともに前年を下回った。
▽その他
雇用・所得情勢では、有効求人倍率(4月)は前月を上回ったが、現金給与総額(3月)は前年を下回った。
企業倒産(負債総額1000万円以上)は、件数、負債総額ともに前年を上回ったが、引き続き落ち着いた動きとなっている。
金融機関の県内貸出は、アパートローンと住宅ローンを中心に前年を上回った。地元3行の貸出約定平均金利は、前月を上回った。
同支店では、先行きの県内景気について「引き続き拡大する可能性が高いが、本土景気・海外経済の動向、原材料価格や労働需給のひっ迫について注視する必要がある」と分析している。