行雲流水
2018年6月14日(木)8:52
【行雲】(水)
水道週間は、多くの市民の関心を集めたようだ。雨の少ない梅雨空の下、渇水、干ばつという過去の苦い体験を思い出したからであろうか
▼さいわい、今は地下ダムの建設により干ばつは緩和された。生活用水についても、水源開発や施設整備を急ぐ予定だという。人知を尽くしてできることはすべてやっておきたい
▼どうにもならないこともある。気象だ。気象だけは天意(?)に従うしかない。先人たちはクイチャーを踊って雨乞いをしたという。古来、宮古の人びとは天水を頼りに生活してきた。現代の地下ダムや水道水も雨水が頼りだ
▼宮古の地層は、表土の下に琉球石灰岩(ナウサ)の層があり、その下に不透水層である島尻層群泥岩(粘土)がある。雨水の50%は蒸発・蒸散し、40%が地下へ浸透するという。浸透した雨水は琉球石灰岩層に滞留しつつ、一部は湧水となって海へ流れ、一部は下部の粘土層上に達する▼今年5月に降った雨量は62㍉(平年値208㍉)。白川田水源地の6月1日の湧水量は9092㌧/日(平年値1万6000㌧~1万8000㌧/日)だという。もっとも、上水道の白川田湧水源への依存度は約30%だ。他の浅井戸水源(不透水層上のたまり水か)の減水はない見込みのようだ(宮古島市「第3次宮古島市地下水利用基本計画」平成26年改訂版)
▼新たな水源開発のためには、水理地質調査の精度向上が不可欠だ。密度の濃いボーリング調査を実施するためには多額の費用がかかる。国や県の支援を得る方策についても検討すべきではないだろうか。(柳)