市、牛センター改修へ/新規就農者支援事業
宮古島市が城辺にある肉用牛センターの改修作業に着手する。新規参入を希望する農家向けに研修施設として開放し、次年度から受け入れる方針だ。一方、県は規模の拡大を目指す農家向けに共同畜舎整備事業を手掛ける。今年度内に設計し、建設用地も決める。13日の事業説明会には農家ら約100人が参加し、肉用牛飼養に対する関心の高さをうかがわせた。
市の肉用牛センターは1987年に旧城辺町が設置した施設。今は遊休化状態にあるため、改装して研修施設として再活用する。
畜産を始めたい人が飼養技術のノウハウを学ぶことができるほか、指導者向けの研修も予定している。
市内に共同畜舎を造る県の事業では一括交付金を活用する。50頭を受け入れる畜舎を想定しており、市が事業主体となる。農家は市と賃貸借契約を結んでこの事業を活用する。今年度内に設計し、次年度着工、2020年度に供用を開始する方向で準備を進める。
これらの新規事業の説明会はJAおきなわ宮古地区本部で開かれた。冒頭、市農林水産部の松原清光部長は「宮古島市では現在、農家戸数や飼養頭数が減少傾向にある」と述べ、このままでは毎月の競りで子牛を買い付ける購買者の減少を招くと危ぐ。「今回のような事業を通して担い手や新規就農者の育成に取り組んでいきたい」と話した。
説明会では、県、市の事業のほか、JAの貸付牛などの紹介もあった。参加者は質問を通して各事業内容の把握に努めた。