人手確保へ留学生/ホテルで1年間研修
モンゴルから職場体験/企業大学 「産学協定」で実現
宮古島市のホテルで職場体験をするモンゴルの女子大学生4人が20日来島した。4人は1年間にわたり受け入れ先のホテルで接客業などを学ぶ。企業側は業務を担う人手確保に、学生らは日本のおもてなし文化を吸収し自国の発展にそれぞれつなげることが狙い。
宮古では近年、観光客の増加に伴うホテルの開業ラッシュが続き、人手不足が深刻となっている。
一方、海外では日本の優れたホスピタリティーを体験し、実践に必要な能力と知識を身に付けたいという学生が多いという。
今回の職場体験は、沖縄本島の「Japan&Asia Biz Support行政書士事務所」とモンゴルの「ニューバリュー」、宮古島市の「たっけんカンパニー」の三つの企業が協力し、市の観光企業とモンゴルの大学との産学協定を取りまとめて初の受け入れが実現した。
職場体験に参加するのはモンゴル国立大学やモンゴルシティ大学の2、3年生。
宮古空港でインタビューに応じたノミンさん(22)は、新潟の専門学校で2年間留学経験があるという。
ホテルニュー丸勝で職場体験をする予定で「日本文化の良いところを学びたい。将来は母国のホテルで働きたいので、今回の職場体験を生かすことができれば」と意気込みを話した。
オユンスレンさん(20)は「受け入れ先や周囲の人たちに感謝の気持ちを持ち頑張りたい。日本語を勉強し、レベルアップしたい」と抱負を語った。
受け入れ企業は事前にインターネット電話で学生たちと面談などを実施し、相互理解を深めてきたという。
空港で出迎えた受け入れ先となるホテルニュー丸勝の平良勝久社長は「宮古にも外国人観光客が増え、インターナショナル化が進んでいる。職場体験で技術を習得するのはもちろんだが、人とのつながりも大切にしてほしい。宮古を好きになってもらい、母国に帰ってPRしてもらえればうれしい」と話した。
同ホテルは2人を受け入れてベッドメーキングや飲食ホール、フロントでの接客サービスなどを体験させるという。
7月にも新たに4人が来島し、病院やレンタカー会社で職場を実施する予定という。