「募集停止せざるを得ない状況」
伊良部高校で県教育長が答弁/亀濱氏の一般質問に
【那覇支社】県議会(新里米吉議長)6月定例会で27日、宮古島市区選出の亀濱玲子氏(社民・社大・結)が登壇し、伊良部高校や宮古島への陸自配備計画、離島患者等支援事業などについて質問した。伊良部高校について、平敷昭人教育長は、「2018年度の入学生は7人と激減した」と述べ、「生徒の教育環境を第一に考え、19年度入学生から募集停止せざるを得ない状況であると考えている」と答弁した。
平敷教育長は、「伊良部高校の活性化を図るため、連携型中高一貫校の実施などを行ってきたが、14年から入学生が20人程度へ減少し、進路希望に応じた選択科目や体育授業、学校行事、部活動が制限されるなど学校教育に支障が生じていた」と説明した。
また、今年度の入学生が7人へ激減したことを踏まえ、伊良部地域の全中学生と保護者にアンケートを実施したと報告した上で、「伊良部高校希望者が、各学年1人か2人と少数であることが判明した。伊良部高校がなくなると島の活性化ができなくなるとの声もあったが、生徒の教育環境を第一に考え、同校について19年度入学生から募集停止せざるを得ない状況と考えている」と述べた。
陸自配備計画について、亀濱氏は「千代田地区で強行されている駐屯地建設では、沖縄防衛局が環境調査を実施し2017年10月に完了しているが、報告書を何度要求しても出てこない」と批判した上で、貴重動植物の状況や赤土流出による環境への影響、城辺保良地区に計画されている弾薬庫の規模や数量を県が確認する必要性をただした。
これに対しては、大浜浩志環境部長が、県が6月12日に旧千代田カントリー地区での現場調査を行っていると明らかにし、「貴重動物種のミヤコヒキガエルなどは、保全区域に移設したと聞いている。赤土等流出防止には、ろ過沈殿池などの対策が適切に実施されている。引き続き報告書の提出を求めるとともに、今後とも必要な指導をやっていく」と答えた。
また、城辺保良地区に陸自が計画している弾薬庫の規模や数量については、屋比久盛敏商工労働部長が「防衛省は、自衛隊部隊の能力が推察されるために具体的に示すことはできないが、火薬類取締法は順守するとのことだった。自衛隊が設置する火薬庫は、経済産業大臣の承認を得る必要がある。経産省の審査で適切な(集落との)距離が確保されると考えている」と説明した。
離島患者等支援事業につては、砂川靖保健医療部長が、「17年度、同事業では13市町村で延べ2121人の患者と付添人に交通費や宿泊費の補助を行っている」と述べ、今後について支援する付添人の範囲を拡大する方向で検討していることを明らかにした。