買い物不便解消へ/大神島
移動販売車の運用開始/出発式で導入祝う
島内に売店がない大神島で食料品や日用品などを販売する移動販売車の運用が26日からスタート。同日、出発式が大神島離島振興コミュニティーセンターで行われ、地域住民らが買い物の不便解消を祝った。移動販売車の運営は大神自治会(久貝愛子会長)が行い、今後は1週間に1回程度、住民から注文を受けた商品を移動販売車で各家へ届ける形で販売する。
今回の移動販売車導入は、県が内閣府の地方創生推進交付金を活用して行う「小さな拠点づくり推進事業」で、買い物弱者支援策として実施された。県内では久米島町が2016年度から実施している。
出発式では久貝会長が「島に1軒あった売店が約3年前になくなり、住民は定期船からバスに乗り、買い物をして帰るという不便な生活をしていた」とこれまでの状況を説明。「移動販売車が運用を開始することで、買い物に苦労することなく、日常生活も楽になると皆、喜んでいる」とした上で「移動販売車が私たちの夢や思いを乗せて、未来への橋渡しとなってくれることを願っている」との思いを語った。
移動販売車の運転手と販売員を務める元自治会長の友利行雄さんは「私の仕事は運転と、おじいさん、おばあさんたちの注文の品を届けること。移動販売車が来て良かったと思われるような仕事をしたい」と抱負を述べた。
出発式には市の担当職員らも参加。代表して生活環境部の垣花和彦部長が「これまでは買い物に大変苦労してきたと思う。これからはほしい物が購入できるようになるので、ぜひ移動販売車を活用してほしい」などと呼び掛けた。
出発式終了後、地域住民は早速、野菜や果物、パン、飲み物、調味料、ティッシュ、洗剤など移動販売車に積み込まれたさまざまな商品を手に取りながら買い物をした。
買い物客からは「これまで買い物に苦労していたが、持ってきてもらえればそのまま買うことができる」や「体が弱くなると坂道を登って家まで帰るのは大変だったので、家まで持ってきてもらえると本当にたすかる」など導入を歓迎する声が聞かれた。