辺野古埋立 承認撤回、手続き開始
防衛局への聴聞指示/翁長知事、会見で発表
【那覇支社】翁長雄志知事は27日、普天間基地の辺野古移設について、埋め立て承認の撤回に向け、沖縄防衛局の意見を聞く「聴聞」手続きの開始を関係部局長に指示したと発表した。県は聴聞を経た上で、国が8月17日にも予定している土砂投入前に承認を撤回し、移設工事を停止させることを目指している。
翁長知事は会見で、辺野古移設工事の埋め立て承認には、事前に実施設計や環境保全対策を協議することなどの留意事項があるが、沖縄防衛局は実行しておらず事業者の義務に違反していると述べた。
また、防衛局の調査で工事区域内で軟弱地盤が見つかったほか、専門家が活断層の存在を指摘していることや、基地が完成した場合に国立沖縄高専が高さ制限に抵触することも強調。「埋め立て承認処分の効力を存続させることは、公益に適合しない」と、撤回手続きに至った理由を説明した。
米朝首脳会談が行われるなどの国際情勢にも触れ、「朝鮮半島の非核化と緊張緩和に向けた米朝の努力が続けられている。このような中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直さず、強引に押し進めようとする政府の姿勢は、到底容認できるものではない」と強く批判した。
この時期の撤回手続き開始となったことについては、「法的な観点からの検討を丁寧にすることが一番重要だとして、慎重に検討を重ねてきた」と強調。
その上で、6月に防衛局が埋め立て工事を8月17日から始めると通知してきたことや、県が7月17日に行った工事停止要求に防衛局が応じる姿勢がなかったことを指摘し、「総合的に判断した」と述べた。
11月に予定されている県知事選への出馬については「私が4年前に公約で約束したことを、しっかり築き上げていく、守っていく。(これまで)答えたように、一日一日、公務を遂行するために頑張っていきたいと思っている」と述べるにとどめた。