大雨で畑土が流出/農家「夏植えできない」
島尻自治会 市に復旧を要請
50年に一度といわれた記録的な大雨の影響で各地の畑で土が流出、市の調査で被害が拡大している。平良島尻地区でもサトウキビ農家のほとんどが被害を受けたという。27日には同自治会や生産組合などのメンバーらが市に「これでは夏植えができない」などと窮状を訴え。土を新たに運び入れるなどの復旧を要請した。
土が大量に流出した島尻地区の畑は、ほ場整備地区。地元農家によると、排水路の幅が狭く浅いほか、水路に土砂が埋まり水はけが悪い箇所で被害が集中しているという。
特に傾斜地では、土が鉄砲水のように流れ出したと見られ、畑が数十㍍にわたり侵食されている。
要請ではこういった現状を写真で説明。生産農家は「被害を受けた農家は途方に暮れている。8月からは夏植えが始まることから、畑の早急な修復に取り組んでほしい」と訴えた。
要請を受けた市農林水産部の松原清光部長は「宮古全体で同様な被害が出ている」と述べ、行政としてどのような対応ができるのか調査中だとした。
その上で今年度当初予算に「災害復旧費」としての予算を計上していないことを強調。「予算を確保するためには補正予算として議会に提案しなければならない」などと述べ、9月定例会での予算計上を目指す考えを示した。
要請に出席した農家からは「土を入れないとキビ植えができず、収入がなくなる」「キビは市の基幹作物。バックアップしてほしい」などと話した。