笑顔広がる保養の場/うむい宮古島保養プロジェクト
7家族23人を受け入れ/ホームステイ通して交流
「ここに来ると、笑顔が増える」-。東日本大震災による原発事故の影響が今も残る福島県。そこで生活を続ける親子を宮古島に招く「うむい宮古島」の保養プロジェクト満月(楚南均実行委員長)が24日から1週間の日程で行われた。今年は7家族23人が来島。ホームステイを通して受け入れ先の家族や実行委のメンバーと交流を深めた。
保養プロジェクトは6年目を迎えた。自然豊かな宮古島で、放射線量におびえることなく心穏やかに過ごしてもらうことが狙いだ。
1年365日分の枠に宮古島市民や関係者の笑顔を載せる笑顔カレンダーを製作・販売し、その収益金から活動資金を造り、参加親子の旅費に充てている。
24日に来島した7家族23人は、ホームステイをしながら受け入れ先の家族と交流を深めた。期間中は島内観光のほか、海水浴をしたり、魚釣りをしたり。地域で開催されるイベントに参加する親子もいた。
29日には全員が参加する交流会があった。パイナガマビーチの隣にあるパイナガマ海空すこやか公園でバーベキューを行い、肉や野菜を囲みながら談笑し、和やかな時間を過ごした。
「人のうれしいという気持ちが循環している」と話すのは今年初参加の手島敏江さん(38)だ。「こんな気持ちは保養でしか経験できないと思う」と実行委と宮古島市民に感謝する。娘の恵都ちゃん(5)に目をやりながら、「ここに来てからというもの娘がとにかく笑っている。癒やされているんです。そんな姿を見て親の私も癒やされる。人の温かさを感じて心も体も安定しています」と話した。
4年連続で参加している郡司はなさん(8)は、この1週間ですっかり日焼け顔に。「海で魚を見ることができて楽しかったよ。船に乗って魚釣りもした」と笑顔いっぱいだった。
福島の親子がくつろぐ姿に目を細める実行委の前里芳人副委員長は「みんなの表情が明るいのが何より。宮古島で元気をもらって、また福島で頑張る。これからも支えたい」と話し、活動の継続を誓う。笑顔カレンダーに協力してくれている市民らに感謝し、「毎年365枠埋まっていることが協力の大きさの表れ。市民や関係する方々のおかげで福島から迎えられる。続けていきたい」と話した。