宮古でトマト本格栽培/キャステム
施設竣工 環境重視の農法導入
金属部品メーカー、キャステム(広島県、戸田拓夫社長)の系列会社パニパニファームキャステムは30日、上野地区で運営する全天候型ビニールハウスの竣工式を行った。宮古では初のアイメック農法を導入し、トマト「フルティカ」を本格栽培する。11月~翌年6月までに5㌧収穫し、関西方面に出荷。販売額500万円を見込んでいる。
災害にも強い同ハウスは奥行き35㍍、間口8㍍で2連棟。面積は560平方㍍。
ビニールの巻き上げや天井の遮光カーテン、天井窓などは全自動。総事業費は7000万円で、行政の支援は受けていない。
アイメック農法は、水とトマトに必要な養分しか通さない特殊なフィルムを使って行う栽培。このフィルムは、ウイルスや病原菌などを通さない。廃液が出ないため、環境にも極めて優しいシステムと評価され、糖度や高栄養価は高いとされている。
現在の社員は日本、フィリピン、アメリカ、コロンビア、タイの5カ国を含めて約1300人。戸田社長は「今後は、宮古島でトマト栽培などを発展させ地域に貢献したい」と意欲を見せている。
竣工式でパニパニファームキャステムの木村仁代表は「全天候型ビニールハウスは、宮古島の農業の発展には欠かせない施設」と述べた。
長濱政治副市長は「全天候型ビニールハウスが成功すれば別の展開が期待される」と話した。
市農業委員会の芳山辰巳会長は、今後のトマト生産の発展を祈念した。